花の宿
春の終わりの とある日に 夢から覚めて 見たものは
決して 入ってくれるな、と 言い置きされし 奥の道
さ庭の 隅の 新しき 湿れる土の その中に
迷い込みにし 野良犬の 掘り起こしたる 骨の数

宿の主の 色の香に 迷い惑いて 命まで
捧げし あわれな 男らの 末路を告げる 骨の色
気配に はっと 振り向きし 男が 最後に 見たものは
昨夜 ひっしと かき抱き 口吸いしたる いとしさも
夢かと思ふ ありさまに
逃げむとすれど 凍り付く ふたつの膝は 固まりて

本気の想い 疑ひし 主の心が 許せない
炎を含み 射るやうな 緑のまなこ らんらんと
耳まで裂けた その口で 男の頭 かみ砕き・・・

一陣の風 行き過ぎて 後は 静かな 花の宿・・・・
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